ミクニヤナイハラ・プロジェクト『五人姉妹』

7/9(水)ミクニヤナイハラ・プロジェクト『五人姉妹』(準備公演)@こまばアゴラ劇場
面白過ぎ。
当初、「静かな演劇」というかまっとうに「ドラマ」を造形するのに挑戦、のつもりだったようだが(笑)、蓋を開けてみれば前2作『3年2組」『青の鳥』ラインの「進化形」となったと言える。
これまでとくらべるとキャスト数が6人と少なく(役者全員がキャラ立ちしてる)、テキストもシンプルである(ストーリーを追うことや、台詞の逐一を聞き漏らすまいと神経を使うことを免除される)ことにより、極言すると、観客はそこに生起する「グルーヴ」に身を任せているだけでOKという、音楽やダンスにおいてはまだしも演劇としては希有のレベルに到達することに成功していた(これに比べられるのはチェルフィッチュの『クーラー』ぐらいだが、あれは実は「ダンス」作品なのだった)。
もちろん、役者たちのアンサンブルと一人一人の演技、そしてそれを引き出した矢内原美邦の演出とテキストの勝利ということだ。
ところで、笠木泉の演じる長女がある時点まである状態でいるのだが、かつてニブロール『東京第一市営プール』においてJOUがそれと同じ演出をされていたことを思い出した。「それ」が何かはネタバレになるので言えないが。
7月13日(日)まで。見るべし。