「7人の怒れる男女」(怒っちゃいないけど)

土曜と日曜の2日間、トヨタコレオグラフィーアワードの選考会。応募者約200名。その中から、7月にシアタートラムで行われる「ネクステージ」(公開審査会)へ送りだす8人の振付家を決定した。一刻も早く発表したいところだが、事務局の正式発表は24日頃になるので、今はまだ書けない。
選考は時間にして18時間に及び、最終的な結論に到るまで、粘りに粘って、あらゆる角度から検討を重ねた結果であり、無論、単純な点数制の投票結果によるものではない。いやー、シドニー・ルメットの「12人の怒れる男」を思い出しましたよ、やり終えた時には。ううぅ、はやく発表したいっ。
ところで、ビデオで選考する際に一番困るのは、「撮影状態のマズさ」だ。大きな会場の客席の一番後ろからフィックスで撮った「小さ過ぎてわからない」タイプ、照明が暗くて「何も見えない」タイプ、オート機能のせいで照明が変る度に「ピントがボケる」タイプ、大別するとこの3つが主なもので、それがかなりの数に登る。正確には忘れたが印象で言うと200のうち100はあったと思う。しかも、それなりに名もキャリアもある振付家・ダンサーですら、平気でこの手のものを送ってくる! そもそもダンスというライブ・アートのコンペにおいてビデオ選考ということじたいが(アーティストと選考者双方にとって)ハンディキャップなのだから、せめて「何をしているのか見える」ビデオを提出してくれないと、判断の下しようがない。ほんと、お願いしますね。
あと、PVみたいなエフェクト処理バンバンな「編集もの」も困る。なかにはまったく踊っている映像が入っていないものすらあったよ。グラビア・アイドルのイメージ・ビデオというか。勘違いなのか確信犯なのか‥‥。そいつも一応は名の知られたダンサーだったよ。迷惑メールのフィルターみたいな自動処理機能が欲しい!と思ったね。