公告

遊園地の『トーキョー/不在/ハムレット』の東京公演も終わり(週末に京都公演があり、木曜日にはサウンド・チェックで京都入りするが)、なんとなく一段落なので、こうして書いている。で、いきなりではありますが、
この度、私、本年1月より「ダンス批評家」を無期休業することになりました。今後は、プロデュース、レクチャー、ワークショップ、そして音楽でコラボなどなど、また別のかたちでダンスと関わっていく所存です。
というわけで、いちおうこれを「オフィシャルな告知」としたい(ま、去年の10月あたりからいくつかの場所では明言していたことだけれど)。理由は、上に書いたような仕事が増えると批評家としての公平性に支障を来すからだ。レクチャー、ワークショップはまだしも、特に、昨年は吾妻橋ダンスクロッシング、じゃれみさとのコラボ、間接的とは言えニブロールと同じ舞台に携わるなど、自分でも「一線を超えたな」という意識があり、決断したというわけ。今後ダンスについて書かないということではない。ただ、そのスタンスが「批評家として」ではなくなるということだ。ということは、今後、僕の書くものは、単にダンス愛好家のあるひとつの見解に過ぎず、趣味嗜好で書く独断ということになる。以上、お含み置き頂きたい。
振り返ってみれば、最初にダンス批評の肩書きを明記したのは96年に朝日新聞の舞台評を書くことになった時だった(初回は6月12日付の山海塾)。それまでは、あくまで「外部の目」で、というスタンスで肩書きはミュージシャンとか作曲家とかにしていた。そもそも、僕がそれまでの約10年の間に書いていたのは、すべて一般誌(もしくは他ジャンルの専門誌)だったし。で、あの時は、こういう日本で最もマスな媒体の舞台欄で人様の表現にあれこれ言うからには、こっちもそれなりの覚悟で受けて立という、という気持ちでそうしたのだと思う。それからさらに10年たつのか。うーん。